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右文書院 編集部
◎教科名:国語
| 科目名 | : | 古典講読 |
| 履修学年 | : | 2または3年 |
| 単位数 | : | 2単位(70時間) |
| 使用教科書名 | : | 平安文学選〔物語 和歌 随想・日記〕 |
| 発行者 | : | 右文書院 |
| 略称・記号 | : | 142 講読017 |
| 判型・総ページ数 | : | A5・122ページ |
【教科書・教材の採択評価】
イ 表現・内容のわかりやすさロ 語彙・文法・知識 レベル
ハ 表現・言語活動
ニ 図表・写真などの使いやすさ
※ 各項目5段階評価による総合的判断
◎教科書の構成について、特に配慮してある点
- 教材として親しみやすい内容のものが比較的多く取り上げられている。
- 漢字のあて方、送り仮名、句読点の付け方、改行の仕方などで、底本との異同が散見するが、妥当と思われる範囲のものであり、読み仮名の施し方なども含め、表記については配慮の跡が見られる。
- 注釈は脚注形式によっており、注解もおおむね適切であり、辞書を引けばわかる語句など省略してあり、生徒の自主的学習に委ねるのと方針が垣間見える。
- 古典文法の概要は作品の読解に即して行う、という基本姿勢がうかがえ、各教材ごとに注意すべき文法・語法事項が*を付して取り上げられている。
- 本文の理解に役立ち、学習意欲を喚起するような写真・図版が配置されており、巻末には「付録」として、文法諸表のほか、清涼殿・後涼殿図、内裏略図などが掲載してある。
■ 本教科書の編修趣旨
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本教科書は、高等学校国語科・古典講読(選択科目、2単位)として、『国語総合』『古典』など他の科目との連関を図りつつ、 わが国古典文学の精華であり、内容・量ともに当代世界に類のない豊穣さを誇る「平安時代」にスポットを当てて、その代表としての「物語」文学を中心に据え、 これに平安文学の母胎である「和歌」や「随想・日記」を加え、それぞれに適切な作品を選定して編集したものである。
◎教科到達目標(学習指導要領)
- 古典としての古文を読むことによって、我が国の文化と伝統に対する関心を深め、生涯にわたって古典に親しむ態度を育てる。
- 日本文化の特質や日本文化と中国文化との関係について考えるとともに、古典への興味・関心を喚起させるために、古典という言語文化を正しく継承し、それを現代に生かす態度を育てる。
- 情報化・国際化などの社会の変化に対応するために、目的や意図、相手や立場に応じて、国語を的確に理解し適切に表現する能力の涵養を図るとともに、ものの見方、感じ方、考え方を広くし、古典に親しむことによって人生を豊かにする態度を育てる。
◎学習内容(単元・教材名)
- 学期 1(4~7月)・2(9~12月)・3(1~2月)
- 時数 計70時間
◎単元・教材の配列・構成など
- 単元・教材の配列──単元の構成は、ジャンル別編成とし、「物語」「和歌」単元の各教材は、古い作品から新しい作品へ、時代の流れに沿って配列した。
- 本文──各教材の本文は、定評ある底本を選び、これに準拠した。加えて原典尊重の立場および学習・指導の実情を考慮し、 全体としては常用漢字ではあっても誤読のおそれのあるものには繰り返し振り仮名を施すなど、表記については特に意を用いた。 本文表記は歴史的仮名遣いに従い、底本の明らかな用字・用語上の誤りや、補助動詞の表記・句読点・改行など、 教材全体としての表記の不統一以外の訂正は、原則としてこれを行わなかった。
- 注──各教材についての注は、学習効果を高めるために、①②…を本文・注の双方に付して、これを脚注の体裁で掲げ、教材の難易に合わせた注記や、 学習上特に重要な文法・語法上の確認事項について、*を付して注意を喚起するよう配慮した。
- 【学習の手引き】──教材本文の理解、学習の応用やまとめなどに役立つよう、指導要領の目標が偏りなく達成できるよう、 [言語事項]を中心に問いを設けて本文理解の向上を期し、さらに応用発展的な問いをも設けて、各教材末尾にこれらを掲げ、 本文に即した学習活動が行えるよう配慮した。
◎教科書の構成についての配慮した点
- 平安時代の文学を代表する「物語文学」(本文97ページの内、68ページを充当)を中心に据えて編修し、 これに平安文学の基盤である「和歌」や「随想・日記」を加えて三単元に分類し、それぞれに適切な教材を選定した。
- 教材は、「物語」「和歌」単元は歴史的流れに沿って配列した。これは、生徒の理解の程度を考慮するとともに、興味を喚起することを目的とし、 学習効果の向上を期したものである。ただし、「随想・日記」はともに同時代の作品なので、表記のとおり配列した。
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「物語」単元(46時間)の教材選定について
『竹取物語』(作り物語)に始まるわが国の物語文学と『伊勢物語・大和物語』(歌物語)を学習し、 次いでこれら二系統の性格を合わせ持つ『源氏物語』への橋渡し的作品『落窪物語』を学習し、物語文学の歴史的流れを考察し得るよう工夫した。 『源氏物語』については、物語展開の要ともなる有名な帖を中心に、特に「蓬生の宿」(第一帖)は長文を採録し、 加えて物語文学としての特色を出すため、その全体像が把握できるよう、筋の流れに重点を置いて構成した。 また各帖冒頭に内容の一端にふれた解説やそれまでのあら筋を付記し、文末にはその後のつながりを解説して、概要が理解できるよう配慮した。 十巻十冊の短編物語集『堤中納言物語』からは、ほのぼのとした童話的世界を描いた「貝合はせ」を抄出した。
- 翁から結婚を勧められたかぐや姫が、どのような難題を提示して貴公子に対応したかを理解する。
- 現代語に訳しにくいところも、丁寧に品詞分解によって意味が捉えられるようにする。
- 石上の中納言の奮闘ぶりと、失敗に至る経緯を読み取る。
- 敬語表現に慣れる。
- かぐや姫に求婚する男たちがどのように描かれているかを押さえる。
- 「よばひ」の本来の語源と、ここでの語源説明を確認する。
- 「賜ふ」と「賜はる」の違いを辞書を使って確認する。
- 「おいらかに、『あたりよりだにな歩きそ』とやはのたまはぬ」(3・8)は、助詞を押さえながら現代語訳してみる。
- 中納言の動作に付けられた尊敬語の補助動詞「たまふ」や、中納言を対象とした動作に付けられた謙譲語の補助動詞の「たてまつる」の用法に習熟する。
- 「あな…や」「え…ず」の表現形式を確認し、和歌の掛詞や縁語について理解を深める。
- 帝の歌「めふことも…」や、天に近い山を尋ね、そこで文を焼かせた行動などを通して、帝がどう描かれているか、考える。
- 「ふじの山」の語源説明が、どのようになされているかを読み取る。
- 「やがて」「遊び」などの古今異義語や、「奏す」「参らす」「きこしめす」「賜はす」等の敬語に注意する。
- この段は三つの段落に分けられる。中心は三首の歌を持って構成されている温かい友情の部分であることを確認する。
- 「紀有常の人柄、彼と「ねんごろにあひ語らひける」友だちの人柄を読み取る。
- 「こそ」の結びの逆接用法や、陳述の副詞「え」について理解する。
- この文章を「かくしつつ」(12・8)のところで二つに分け、前半・後半で季節や舞台を対比してみる。 「とくいなむ」(12・4)と思いつつ夜を明かす前半、「さても侍ひてしがな」(12・12)と思いながら帰る後半の、それぞれの馬の頭の心理を推測する。
- 藤原氏が実権を握っていた時代、他氏貴族や藤原氏を母としない親王がどういう状況におかれたか、歴史的背景を学ぶ。
- 母が子を切に思う理由として、離れ住んでいてなかなか会えないこと、ひとりっ子であるという説明がなされていることを押さる。
- 「十二月」という設定の意図について考えてみる。
- 和歌の掛詞・縁語を確認する。
- 情報網の発達していない時代に、野大弐がどのような思いでいたか、推測する。
- 公忠の思いやりを味読する。
- 掛詞を中心に歌を解釈し、美女落魄説話である点を確認する。
- 陳述の副詞や、格助詞の用法などに習熟する。
- 女が、二人の男のどちらとも決めかねていることが、どのように描かれているか、順を追って読み取る。
- 仮定・婉曲の意となる連体形の「む」や、「てむ・なむ・つべし・ぬべし」の語法に習熟する。
- 作り物語の書き出しと登場人物の紹介の仕方、当代の中納言クラスの家庭のあり様、継子の扱かわれ方などについて確認する。
- 登場人物紹介の中にみえる人物ごとの性格の書き分け、伏線の配置法などについて確認する。
- 当代の語彙・語法などによって構築された文章表現の背景にある風俗習慣など、生活に根ざした当代の文化について確認する。
- 登場人物の会話をとおして、その背景にあるそれぞれの人物の心理を読み取る。
- 会話からうかがえる登場人物の性格や品性、それに対する対話者の心理などを読み取る。
- 会話文中で多用される反語表現・省略表現などをとおして、対話の迫真性を感得する。
- 物語における同時進行描写の手法について味読する。
- 賀茂の祭り見物の話材を例に、平安時代の生活と文化について調べてみる。
- 会話に見られる驚きや怒りの表現から、人物の心理や場の雰囲気を感じ取る。
- 物語作品を読解するうえで必要な語彙や語法について調べる。
- 登場人物ごとの敬語による待遇差について具体的に確認する。
- 主人公落窪の姫と北の方たちとの対立関係を明確に読み取る。
- 後続する物語の展開を予想してみる。
- 会話文中の指示語の指示内容、省略語句の補充などについて、場面と結び付けて的確に把握する。
- 引き歌の意図する内容の理解し、その表現上の効果について考察する。
- 落窪の姫君と少将道頼の夫婦関係にあわせて、彼らの従者である阿漕と帯刀も夫婦であることについて、当代の風習がその背景にあることを理解する。
- 豪雨をついて三日の夜の訪れのために落窪の姫君のもとを訪れる少将道頼の誠意を読み取る。
- 反語表現の表現意図、省略表現における伝達内容を確認する。
- 対話の進展に伴う登場人物の心理の推移について整理する。
- 会話において、表面上の意味とその背後に隠された真意とを読み分ける。
- 取り散らかされた室内の様子とそれを見て驚く人々の心理描写との相関関係を的確に読み取る。
- 怒り狂う北の方の言葉と言い訳をする留守番の男の言葉などから、話者の態度やしぐさなどを感得する。
- 指示語の頻用、連体止め、接続助詞「て」による言いさしなど、会話特有の表現に注目する。
- 標準的な語彙や文法の知識を身につけて、古語に関する力を養い、本文を正しく読解できるようにする。
- 玉のように美しい光源氏が帝の第二皇子として誕生したこと、母更衣への帝の寵愛がますます深まることで、更衣の立場が険悪になっていくことを把握する。
- 流れるような和文のリズム、古歌をふまえた雅語の美しさを体得できるよう、朗読に習熟し、暗唱できるまで繰り返し読みこむ。
- 野分めいた風、月の光、虫の声々、などの自然描写に人事が調和したみごとな文章をじっくりと味読する。
- 帝のことばをなかだちに、夜を徹してとり交わされる、命婦と更衣の母君との絶妙な会話。悲しみに愚痴めく母君の気持ちを、しっかりと受けとめ、 細やかな気くばりを見せる命婦、そこにかもし出される暖かな友情などを読み取る。
- 本文に親しみ、語義・語法・文脈などを明らかにして、内容を正しく読解する。
- 場面状況、登場人物の心理・心情、当時の社会相などを正しく読み取る。
- 晩秋の嵯峨野という自然が、登場人物の心理と内面的に深くつながりながら描写されている点を理解する。
- 源氏と御息所の、相手に対する感情の微妙な揺れをつかむ。
- 敬語の使い方に注意して、文意を正確に理解し、会話や心内語の内容を確実に把握する。
- 華やかな源氏の一行と、つつましい明石の方一考とが同じ住吉の社頭に行き会う、という構想の巧みな点を把握する。
- 源氏の盛観に引きかえ、日蔭の身を嘆き悲しむ明石の方の心境を考え、その心理が細かく描写されている箇所を味わう。
- 語法に注意しながら、文意を正確に把握できるようにする。
- 姫君の将来のため、愛情を抑えてでも手放さなければならぬという理性と、いとしいわが子をいつまでも手許に置いておきたいという母性愛とが、 どのように葛藤しているかを、本文に即して読み取る。
- 空から間断なく降りつづく雪や、汀の氷などは、明石の方の暗澹たる心を、そのまま表象しているものであること、 文章における象徴的表現ということを確認する。
- 敬語表現に注意し、人物間の待遇関係を正確に把握できるようにする。
- 語彙・文法などに関する力をのばし、確かな読解力を身につける。
- 紫の上の美しさや夕霧の性格がどのように描かれているかをつかみ、野分の描写と相俟って、どのような効果をあげているかについて考察する。
- 全体の場面が三つに分けられること、主として、夕霧の視点によって統一されていることを把握する。
- 語句の意味に関する理解を確実にし、文法を身につけ、文の読み取り能力の充実をはかる。
- 死も近い紫の上の様態がどのように描かれているか、彼女がどのような心を抱いていたか、本文に即して把握する。
- 後に残される源氏や中宮は、どのような思いであったか、歌の理解を中心に把握する。
- 重要語・古今異義語などを重点的に調べて、その語の意味と場面における用法とを確認する。
- 後宮における母更衣の立場、帝寵が一通りでなかったこと、光源氏に対する帝の溺愛ぶり、他の女御・更衣たちによる桐壺更衣へのいじめを本文から読み取る。
- 重要語に関するノート(またはカード)を作り、用例を記入するなどして、自作の重要語集を作成する。
- 「一の御子」に関連して、『源氏物語』における右大臣家および左大臣家の対立の構図、光源氏は左大臣家系列に入ることを確認する。
- 「会話における余情表現(言いさし)」「敬語表現」「自然描写にみられる巧みな表現手法」などを重点的に学習する。
- 【学習の手引き】二の解答を書く際、特にハ行下二段活用「たまふ」の用法について確認し、習熟する。
- 重態の葵の上を見た際の源氏の気持ちや、彼女に対する愛情がどのようなものだったかを理解する。
- 「物の怪」が六条御息所の生き霊であること、生き霊のことばを通して御息所のどのような心が表現されているかを理解する。
- 敬語表現、文法事項に注意しながら、全文を正しく読解する。
- 「桐壺」巻より「葵」巻までの梗概を読み返し、解説にある御息所の源氏に対する心情や「車争い」事件について確認する。
- 「物の怪」やそれに関係した当時の俗信、「もの思ふ人の魂」などについて調べてみる。
- 場面転換の妙を表す「いで、あらずや」(43・8)、「あさましう」(43・14)「うとましう」(43・16)などに注意する。
- 嵯峨野の秋が、視覚・聴覚の両面から描写されていることを把握させると同時に、野宮の森厳であることが、 小柴垣・板屋や黒木の鳥居などの道具だて、神官のしわぶき、人々の私語などによって巧みに表されている点を味読する。
- 御息所の複雑な感情を描いた「いさや、ここの人目も見苦しう」(46・14)以下「いと心にくし」(47・1)までは特に難解なので、詳しく学習する。
- 「いかめしき御歩き」の語句に注目し、上達部・殿上人がなぜ「我も我もと仕うまつ」ったのかについて考察する。
- 「はかなきほどの下衆」が言った言葉を中心にして、源氏の勢威を具体的に表している語句を、本文中から指摘してみる。
- 行列に行き会った時の明石の方の心理については、「げに、あさましう」以下の文、「かけ離れたてまつらぬ宿世」の語句の意味を把握して、理解を確実なものにする。
- 「あやしくさまざまにもの思ふべかりける身」(50・9)を中心に、明石の方の立場と心情を探究する。
- 「わが心にこそあらめ。…とせめて思ひかへす。」(51・10~14)が、明石の方の動揺する心理を巧みにとらえた箇所であることに注意し、 「さることとは思ひ静むれど、えなむたへざりける。」(52・14~15)と対照して考察する。
- 「何か。かくくちをしき…なしたまはば」(52・4~5)には、明石の方の、源氏に対する精いっぱいの抗議と皮肉がこめられていることを把握する。
- 明石の方の、ひたむきな母性愛が示されている語句を本文中から指摘してみる。
- 明石の方の動作に対する敬意の倦むを確認し、その理由について考察する。
- 「うしろめたくいみじ」(55・9)を焦点にして、秋好中宮の心境などがどう描かれているかを把握する。
- 「春の曙の…見る心地す。」(56・1~2)の表現を中心に、紫の上の美しさがどう描かれているかを理解する。
- 「うるはしくものしたまふ君」(57・16)である夕霧の性格が具体的にどう表現されているかを把握する。
- 広大な六条院が、春の紫の上、秋の秋好中宮、夏の花散里、冬の明石の方、というように、それぞれの個性と四季の自然とを組み合わせた構成であることに注意する。
- 夕霧が紫の上を見たということが、当時としては珍しい出来事であった理由を確認しておく。
- 「こよなう痩せ細りたまへれど」(60・9)以下の表現を中心に、紫の上の様態・心境を把握する。
- 三人の詠んだ歌を読解し、前後の文章と対比して、三者三様の感慨を感得する。
- 多用される「露」の語に作者は何を象徴したのか、「もののあはれ」とからめて、考察する。
- 「若紫」に登場して以来の紫の上の役割、その性格、置かれた立場などについて、再確認しておく。
- 明石中宮についても、その生い立ちや紫の上との間柄などについて再確認しておく。
- 人の死を見つめる点において、当時の人々と現代人との間にある違いを確認する。
- 美女との出会いを期待するが、結局は幼稚な世界に引き込まれてゆく少将の様子から、「色好み譚」のパロディーとしての後期物語を読み取る。
- 短編の手法、読者をひきつける語り口の巧みさを理解する。
- 「うれしくなりて」(64・6)、「をかしければ」(64・13)、「ひがひがしく」(65・12)、「そぞろに思ひなりぬ」(67・12)など少将の心情を表す表現に注目する。
- 特定の場面、登場人物の造形(身分・境遇・着衣)などに注目して、先行する物語の引用・パロディーになっていることを確認する。
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「和歌」単元(9時間)の教材選定について
平安時代の仮名物語に密接な関連のある和歌の学習に資するため、勅撰和歌集『古今和歌集』十首、 『後撰和歌集』『拾遺和歌集』各五首(以上、三代集)から代表的ものを選択収録した。
『古今和歌集』十首 - 『古今集』では、歌合で詠まれた歌や賀の歌等が「晴れの歌」であること、『後撰集』では、『源氏物語』に引用された歌から、 人の共感を呼ぶ歌は多くの人々に愛誦されていた歌(褻(け)の歌)であること、『拾遺集』では、屏風歌や歌合に特性があること、を確認する。 三つの歌集を通じて、『百人一首』でなじみの深い歌を詳しく学習してみる。
- 修辞法の一つ、掛詞に慣れ、作品鑑賞に重点を置いて学習する。
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「随想・日記」単元(15時間)の教材選定について
『枕草子』からは、中宮定子に対する賞賛と自らの体験をつづった「日記的章段」を中心に選択した。 『和泉式部日記』『紫式部日記』は、ともに平安時代を代表する歌人と作家の手になるものであり、 その確かな筆致が味読できるよう配慮すると同時に、「物語」「和歌」や『枕草子』との関連づけにも留意した。 なお、『紫式部日記』を〔言語活動教材〕と位置づけ、朗読・グループ発表を通しての教材理解を目指した。
- 「枕草子」では、一条天皇の中宮・藤原定子に仕えた宮廷生活の体験を基に、定子に対する賞賛とともに、 自らの体験をつづった章段――「日記的章段」に焦点を当てて選定し、次の「和泉式部日記」「紫式部日記」の日記文学との関連づけにも配慮した。
- 「和泉式部日記」は別名「和泉物語」とも称される物語日記であり、「紫式部日記」は紫式部の作である。 平安時代を代表する女流歌と女流作家の筆致を味わわせることができるよう、物語・和歌にも関連づけるとともに、「紫式部日記」を[言語活動教材]と位置づけ、 ●表現の学習などを設けて、配慮を加えた。
- この回想記中の登場人物それぞれの立場や、話の展開を把握する。
- 筆者をめぐる人間相互の日頃の意志の疎通を確認し、動物に対する人々の愛情についても、着目する。
- 古文特有の語句の意味や用法について理解を深め、特に会話を的確な現代語に訳出できるようにする。
- 筆者は自慢話を語るだけでなく、自分と同じような才知を持った人に対しても、惜しみない賞賛の拍手を送ったという点を読み取る。
- 頻出する「けり」の用法を理解し、この章段が打ち聞き(聞き書き)であることを確認する。
- 話がどのように展開しているか、筋の流れを大まかに捉えて、三段落に分けてみる。
- 宮廷に飼われていた猫や犬が、どのような扱いを受けていたか、「命婦のおとど・翁丸」などから推察してみる。
- このエピソードの主題は、犬が人語を解して落涙したことにあるが、それに対する感想をまとめてみる。
- 登場人物を把握し、文中の会話文について、それぞれの会話主体が指摘してみる。
- 翁丸が人の言葉に涙したことを感動的に記録した回想記であるが、自分や人の体験などを話し合ってみる。
- 犬に対して、筆者と皇后とが共通した愛情を抱いていたことに関連して、当時の皇后の立場(中関 白家の一人としての立場)が逆境にあったことを確認しておく。
- 平安時代の上流貴族子女の教育はどのようなものであったかを読み取る。
- 『古今和歌集』の暗唱試験をされる娘の身を案じる父親の心情の深さを考察する。
- 中宮定子が物語る、村上天皇と宣耀殿の女御とのエピソードの場面と、筆者が身を置く一条天皇と中宮定子との「つゆおもふことなき」場面とを、 同時代の出来事などと混同しないよう、文脈から正確につかみ取り、動作の主体を明確に把握する。
- 「二方向に対する敬語」表現が五箇所あり、異種の敬語の重なりはだれとだれとを同時に高めているのかを確認する。
- 兵衛の蔵人が歌を詠まずに「雪・月・花の時」と言った真意を探究する。天皇がそれを賞賛した理由について、意見を発表する。
- 「わたつ海の…」の和歌には、どのような技巧が用いられているかをつかみ、これに関して、掛詞・縁語・枕詞などの修辞についても確認する。
- 「盛らせたまひて」「めでさせたまひけれ」などの二重敬語の理解を徹底する。
- 伝聞回想の「けり」の多用を確認し、「かへるなりけり」や「焼くるなりけり」の「けり」の意味・用法についても知識を確実にする。
- 語彙や文法の知識を身につけ、正しい読解ができるようにする。
- 和歌の解釈のしかたを身につけ、地の文とともに理解する。
- 「女」の故宮へのたちがたい思い、弟宮との新たな恋に対する期待と不安などを理解する。
- 敬語・付属語などを重点的に把握させ、本文中での意味・用法を確認する。
- 和歌の贈答について理解させ、地の文との関係にも目を向けてみる。
- 「女」の思いを理解する。
- 土御門邸の様子を描写した冒頭部分の文章を、黙読から音読、朗読までの一連の言語活動を通じて味わう。
- 中宮彰子の壮麗な雰囲気に引き込まれてゆく自分を見い出すもう一人の自分の存在という、筆者の内省的なものの見方について、グループ発表してみる。
- 土御門邸の様子を具体的に思い描いてみる。
- 本文に即して、華麗な現象の渦中に巻き込まれてゆく自分の姿を理性的・批判的にみつめる筆者の心理を読み取る。
『竹取物語』
| 一 | 貴公子たちの求婚 |
| 二 | 五人の求婚者への難題提示 |
| 三 | 石上の中納言、子安貝の入手に失敗 |
| 四 | 煙立ちのぼる、ふじの山 |
| 一 | 基本的な古語を習得し、物語の流れとしては、かぐや姫に多くの求婚者がいたことを理解する。 |
| 二 |
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| 三 |
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| 四 | 人間的に描かれている帝を通して作者の創作意図をうかがわせ、平安時代の宮廷文学への流れを理解する。 |
| 一 |
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| 二 |
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| 三 |
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| 四 |
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『伊勢物語』
| 一 | 紀有常(十六段) |
| 二 | 小野(八十三段) |
| 三 | さらぬ別れ(八十四段) |
| 一 | 贈答歌を読み味わうことで、この段の主題が妻との別れではなく、有常と友だちとの友情にあることを理解する。 |
| 二 | 二首の歌の読解を通して、惟喬の親王と馬の頭とが、単なる主従関係にあるだけでなく、魂の交流があったことを理解する。 |
| 三 | 母と子の贈答歌に表出されている、母の子への思い、子の母への思いを読み取る。 |
| 一 |
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| 二 |
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| 三 |
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『大和物語』
| 一 | 玉くしげ(四段) |
| 二 | 水汲む女(百二十六段) |
| 三 | 生田川(百四十七段) |
| 一 | 歌の修辞法を確認し、歌がどのような効果を持っているか、考える。 |
| 二 | 求められても姿を現さなかった檜垣の御の、歌に託した思いを読み取る。 |
| 三 | 女・男それぞれの立場から、その行動に対する自分なりの感想をまとめる。 |
| 一 |
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| 二 |
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| 三 |
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『落窪物語』
| 一 | 落窪の君の生ひ立ち(巻之一) |
| 二 | 三日の夜の訪れ(巻之一) |
| 三 | 姫君に迫る典薬助(巻之二) |
| 四 | 姫君の失踪と中納言邸の大騒ぎ(巻之二) |
| 一 |
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| 二 |
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| 三 |
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| 四 |
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| 一 |
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| 二 |
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| 三 |
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| 四 |
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『源氏物語』
| 一 | 玉の男皇子の誕生(第一帖、桐壺) |
| 二 | 蓬生の宿(第一帖、桐壺) |
| 三 | 物の怪の出現(第九帖、葵) |
| 四 | 野宮の秋(第十帖、賢木) |
| 五 | 住吉詣で(第十四帖、澪標) |
| 六 | 雪の日の子別れ(第十九帖、薄雲) |
| 七 | 野分の六条院(第二十八帖、野分) |
| 八 | 病める紫の上(第四十帖、御法) |
| 一 |
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| 二 |
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| 三 |
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| 四 |
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| 五 |
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| 六 |
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| 七 |
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| 八 |
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| 一 |
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| 二 |
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| 三 |
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| 四 |
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| 五 |
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| 六 |
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| 七 |
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| 八 |
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『堤中納言物語』
| 一 | 貝合はせ(貝合) |
| 一 |
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| 一 |
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『後撰和歌集』五首
『拾遺和歌集』五首
●学習目標
| 一 | 和歌は基本的な音数・句数・句の配列順序が決まっていて、およそ三十一文字という中に、いかに感動を表現しているか、読み味わう。 当時の貴族社会で、歌がどのようなとき詠まれていたのかについて考察する。 |
| 一 |
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『枕草子』
| 一 | うへに侍ふ御猫は(九段) |
| 二 | 古今の草子を御前に置かせたまひて(二三段) |
| 三 | 村上の先帝の御時に(一八二段) |
| 一 |
|
| 二 | 天皇親政の治世を築かれた村上天皇と宣耀殿の女御との「すきずきしうあはれなる」昔物語を、語り出される中宮定子とその話に耳をかたむけられる一条天皇、 という二重の構図をみごとに活写した清少納言の筆致を味わう。 |
| 三 |
|
| 一 |
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| 二 |
|
| 三 |
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『和泉式部日記』
| 一 | 夢よりもはかなき世の中を |
| 一 |
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| 一 |
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『紫式部日記』
| 一 | 秋のけはひ入り立つままに〔言語活動教材〕 |
| 一 |
|
| 一 |
|
◎全般的な学習活動
- 朗読・話し合い・感想文・課題レポート提出等の言語活動
- インターネットの活用
- 資料の活用(学校図書室の利用)
- 視聴覚教材の活用(視聴覚室の利用)
- ※回数、学期・月などは、学校個々の事情に合わせて、適宜お書き込み願います。
◎学習方法
- 教科書はもちろん、副教材・視聴覚教材等を活用し、さらにはインターネット検索や学校図書館の資料等の活用して、積極的に学習する。
◎学習上の留意点(生徒への注意事項)
- 授業では必要に応じて板書やプリント等を配布するので、それらを活用するためにも、なるべく科目ごとのノートやファイルとじ等を用意すること。
- 古文を学ぶ上では、言語的・視覚的な感覚が要求されるので、常に学習の各場面で、古語辞典・図表便覧等を携行、参照する。
- レポート提出や発表においては、自分の考え・意見をまとめ、それが表現できるよう心がけて学習する。なお、レポートの課題や参考資料等について相談等あれば、教科担当者に尋ねること。
◎評価ポイント(観点・重点)
評価規準(方法)A(学習者の科目対応能力)- 関心・意欲・態度
- 思考力・判断力
- 資料活用の技能・表現力
- 知識・理解
- 学習進度確認小テスト(月毎)
- 中間考査・期末考査等の結果
- レポート(ノート)・小論文等の分析、授業中・話し合い等での行動観察等を踏まえて、教科会での複数の教授者による総合的・客観的評価を期されたい。
◎評価方法について
- 授業への取り組み、レポート、定期考査等を中心に上記評価基準Aの観点によって、総合的に評価する。
- 古文作品・教材は互いに関連し影響しあっているので、その関係に留意して学習する。また、学習の評価は、定期考査に加え、 レポートへの取り組み姿勢や朗読・課題発表等に対しても行う。 特に、自分なりの考えをまとめ、それを書いたり発表できるかなどを総合的に勘案して判断する。
《物語》(46時間)
| 教材名 | 学期・時数 | 評基A | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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《和歌》(9時間)
| 教材名 | 学期・時数 | 評基A | |||||||
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《和歌》(9時間)
| 教材名 | 学期・時数 | 評基A | |||||||||||||||||
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●付録
一 動詞活用表
二 形容詞・形容動詞活用表
三 古語敬語動詞
四 古語助動詞活用表
五 古語助詞一覧表
六 五十音図、月の異名、時刻・方位・十二支
七 清涼殿・後涼殿図、牛車の図
八 内裏略図
九 京都付近図
十 日本古典文学関係年表
表見返し(2色刷り) 旧国名・都道府県名対照地図
裏見返し(2色刷り) 大内裏略図 京都付近図





